今回は、Nikon Fマウントの癖玉レンズと言われている
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G の作例を挙げて、レビューしたいと思います。
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G の基本情報
このレンズは、2013年10月31日に発売されました。
かなり前のレンズですが、未だにその人気は高いままでレビューサイトでも高評価を得ています。
型式 | ニコンFマウントCPU内蔵Gタイプ、AF-Sレンズ |
---|---|
焦点距離 | 58mm |
最大口径比 | 1:1.4 |
レンズ構成 | 6群9枚(非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり) |
画角 | 40°50′(35mm判一眼レフカメラ、FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ) 27°20′(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ) |
撮影距離情報 | カメラへの撮影距離情報を出力可能 |
ピント合わせ | 超音波モーターによるオートフォーカス、マニュアルフォーカス可能 |
撮影距離目盛 | ∞~0.58m |
最短撮影距離 | 0.58m |
最大撮影倍率 | 0.12倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
絞り方式 | 自動絞り |
最大絞り | f/1.4 |
最小絞り | f/16 |
測光方式 | 開放測光 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 72mm(P=0.75mm) |
マウントアダプターFT1適否 | AF駆動可 |
寸法 | 約85mm(最大径)×70mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約385g |
使ってみて良いと感じるポイント
①描写力
使ってみるとやはりその描写力の高さを感じます。
単焦点ゆえの解像度と、背景のボケがほんと綺麗に流れているように感じます。
②軽さ・小ささ
ニコンのフルサイズレンズの中でも、最軽量に近くニコンの新しいZマウントを含めても軽い部類に入ります。
軽いと撮影していて負担が少ないですし、どこかに出かける時も、とりあえず持っていこうという気になります。この軽さ小ささでこの描写が得られるので、持っていて本当によかったと感じます。
イマイチと感じるポイント
一方、イマイチだな、改善してくれたらなと感じるポイントもあります。
①最短焦点距離が58cm
テーブルフォトなど身近なものを撮影する際に少し苦労します。
②F1.4の開放での撮影では描写が若干甘い
F1.4で使用したくなりますが、ピントが甘いような写真になります。
また、太陽の下ではパーブルフリンジが出やすいです。
逆にほわっとした描写ということで、女性のポートレートに向いているとも言われますが、好き嫌いが出そうな点です。
特徴・分析
このAF-S NIKKOR 58mm f/1.4G は、購入前からネットでレビューや作例をみて、下調べしていましたが、癖玉という言葉がよく使用されていました。
このレンズを使ってみてその意味がどんどん分かってきました。
この下の写真はF1.4で撮影したものですがピントが甘いように感じます。実際、拡大してみると甘いです。
発売から6年経過した現在でも新品で17万円以上するレンズでこの描写。この使い始めの段階で手放す人も多いようです。
でも、このレンズの楽しさ・凄さはここからはじまります。
これはニコンのHPに記載されているMTF曲線です。
一般的に青線の30というラインが解像度
赤線の10というラインがコントラストの忠実さ
を示しておりグラフ上部の1に近ければ近いほど高解像度で抜けが良いと言われています。このレンズは数値上では良くないと見えます。
(MTF曲線だけでレンズの良し悪しは語れないが一つの指標として)
ただ、この表はF1.4の開放の場合であり絞った場合の表はありません。
実際、F2.8以上まで絞ると一気にカリッとした描写になり、
このMTF曲線は全く別の表になると予測がつきます。
このF1.4とF2.8以上で使用した際の描写がガラッと変化することが、
1本のレンズだけど2本のレンズを使っているような描写の違いの原因かと思われます。
(たまたまなのか、そのように設計されたのか。どちらにしてもすごいです。)
F値ごとのサンプル写真










F1.4とF2.8とF6.3の3枚で比較するとこのレンズの描写変化がよくわかります。
開放F1.4はふんわり。F2.8で解像度最大。F6.3でボケが弱くなります。
ミラーレス Z50でも使っています
ニコンのミラーレスカメラでもこのレンズを使っています。
ミラーレス機は小さいので、この58mmのサイズはちょうどいいように感じました。
このレンズは、レンズ内手振れ補正がありませんが、ミラーレスZ7・Z6・Z5では、ボディ内手振れ補正が効くので、より楽しめると思います。
作例
このAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gはほんと不思議なレンズです。
F値1.4ではピントはあっているけど、フワフワした描写になり、
女性のポートレートや、花を撮影する際には良い雰囲気が出ると思います。
一方、F値2.2まで絞ればカリカリに描写します。
この使い分けが楽しく、被写体をどう撮るか、構図やシャッタースピードを考えると同時に
どのような描写にしようかと新たなステップで悩ませてくれるレンズです。
私が他で使用しているレンズでは、この悩みはありませんでした。
最近のレンズは、解像度だけが優先し指標にされている気がしています。(いい意味で優等生ばかり)
ですが、このレンズは、解像度だけでは語れないレンズの味も持ち合わせており、
使いこなすほど、良さ、楽しさがわかってくるのだと感じています。
私はまだまだ使いこなせていませんが、
このレンズとの関わりの入り口に立てたことが嬉しく思っています。
私はこの「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」を含めF1.4シリーズの3本のレンズが気にいっています。
残りの2本は、この「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」の兄弟のような位置づけだと思っています。
レビューも書いていますので、良かったら読んでみてください。
・AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
レビュー作例:AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED レビュー 作例多め
・AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E ED
レビュー:AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E EDレビュー作例【lens review】
最後に
ニコン AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gのレビューを行いました。
まだまだ使いこなせていないですが、もっと使いこなしたいと思わせてくれるレンズです。
ニコン Zマウントから F0.95の58mmレンズが発売されましたが、
100万円超えの化け物レンズであり、一般人が使えるようなレンズではありません。
そのため、Zマウントユーザーの方でも、
ニコン AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gに興味があれば、是非、使ってみて欲しいです。
作例もどんどん更新していきますので、たまに見に来ていただけると嬉しいです。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
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