松尾憲二郎さんの個展
報道写真展「エディトリアルライン」
に行ってきました。
プロ意識の高さに圧倒されました
ニコンプラザ大阪で開催れた1時間のセミナーにも参加したのですが、
報道カメラマン、スポーツカメラマンの松尾さんの総合的な技術力に圧倒されました。
プロ意識の高さ
報道カメラマンは、1秒を争うような過酷な状況で結果を残さないという職業であり、
アスリートと同じように感じました。
松尾さんのお話しを聞いていると、
カメラマンはただ端にシャッターボタンを押す仕事ではなくて、その場の状況に臨機応変に対応することとと、被写体や関係者とのコミニュケーションがとても重要であることが理解できました。
松尾さんはそのような現場でも、もっと表現の幅を広げたい、
報道写真はもっといろんな表現ができるんじゃないかという姿勢で取り組まれており、
技術力の高さと向上心の高さに圧倒されました。
信念とポリシー
報道カメラマンはBtoBであるがゆえ、
売れる写真を撮らないといけないという使命があります。
その中で、良い写真と売れる写真はまた別で
良くも悪くもインパクトのある写真が売れるのは確かのようです。
ただ、松尾さん自身は、アスリートファーストという考えを持っておられ
選手自身がその写真を見た時に嫌な気持ちになる写真は世の中に出さないようにしているようです。
カメラマンも企業人であり、利益を出さないといけないという使命がありますが、
その中でも、信念とポリシーを持って活動されているところが
めっちゃカッコ良くて、私自身の働き方に対する考えに大きな影響を受けました。
技術力の高さが時間を生む
1秒も無駄にできない状況での撮影が続く報道カメラマンをしつつ、
今回の個展のような、新たな表現に挑戦する時間があるんですか?
って質問をしてみると
絶対に求められる必要な写真を、短時間で確実に撮り切ることで余剰時間が生まれる、
とおっしゃっていました。
私も普段、会社員をしている中で時間に追われることが多く、目の前の仕事をこなすことで精一杯で、もっと深く働くことの意味や、もっとできることがあるんじゃないかとか考えたことがたくさんあるけど、思考をする時間も気力も削られて1日が終わる日々でした。
今回、松尾さんのセミナーを受講して、
プロというのは、時間を生み出す時間がある人なんだなと思いました。
その生み出した時間で、さらなる高みへ進んでいけるから、さらに技術力も表現力も向上していけて、どんどん世界が広くなっていくような感覚を受けました。
写真と撮るという行為
私は、趣味で写真やカメラをしているだけの存在です。
職業で写真、カメラと真剣に取り組んでおられる松尾さんに話を聞いて
なんだかシャッターを切れなくなりそうな気分でした。
趣味と職業は別物ではありますが、
こんなに真剣に取り組んでいる方と同じカメラを使っていても
別次元にいるような感覚で、自分みたいな人間が写真と撮って何の意味があるのかって考えてしまいました。
趣味と職業で、写真を撮ることに意味は多いに違いますが、
自分自身の中で、まだ消化不良の状態があります。
いろんな写真展にいったことがありますが、
こんな気持ちになったことは初めてでした。
写真もカメラも好きですが、
好きだけじゃなくて、
もっと写真を撮る意味
なぜ自分は写真を撮りたいのか
なぜ自分は写真を撮るのか
ということを真剣に考えていこうと思いました。
松尾憲二郎さんはめっちゃ良い人でした
セミナーとは別日にも個展に行きました。
平日の夕方であったこともあり、展示会場には数人しかいなくて松尾さんとたくさんお話しをすることができました。
とても気さくな方で、私の質問にも笑顔で答えてくれて人間的に本当に素敵な方でした。
年齢も近いこともあって、仕事に対する姿勢にも共感できる部分がたくさんあって、とても良い刺激と影響を受けました。
写真展に行く前から好きな写真家さんでしたが、実際に会ってめっちゃ好きになりました。
まだ、写真集を出すまでには至ってないとおっしゃっていましたが、
発売される日を心から待ち望んでいます。