都市星景写真【Z7Ⅱ+NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S】

星景写真

星の撮影をしてきました。

ニコンZ7ⅡとNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sを購入してから初めての星の撮影でした。

私は大阪市内に住んでいます。星がよく見える地域まで撮影にいくことが難しい環境ですが、

あえて市街地での星の撮影にこれからも挑戦していこうと考えております。

星の撮影に適した日の条件

一般的に、星を撮る日に適した条件のして以下のようなものがあります。

①新月(夜に月が昇らない日)
②雲の無い晴天
③湿気の少ない日
④空気中の汚れの少なさ
⑤光害の少ない地域

①新月

月の満ち欠けは、約29.5日の周期で変化していきます。
その中でも新月と呼ばれる、月と太陽が同じ方角に見える日は夜の空に月が見えません。
空自体の明るさが、グッと暗くなるので星に適しています。
約1ヶ月に1回しか来ないので、他の条件も合わせて、星の撮影に適した日となる確率はかなり低くなってしまいます。

②雲の無い晴天

星を撮るには、星とカメラの間に邪魔するものがないことが条件になります。
一番の敵は雲です。1枚だけ撮る場合はその瞬間に晴れていれば良いですが、タイムラプスやインターバル撮影で何枚も撮影する際には、途中から一気に曇ったり、大きな雲が風で流れてきたりするので、撮影にかなり影響します。

③湿気の少ない日

空気中の湿気も影響します。
冬場は空気が乾燥しているので、澄み切った空になり、星が見えやすくなります。
日本の夏場は特に湿気が多いです。

④空気中の汚れの少なさ

空気中には、ホコリやチリ、黄砂、PM2.5などの微小粒子が飛んでいます。
星撮影の前日に雨が降ると空気中の汚れが少なくなるので、星がよく見えるようになります。

⑤光害の少ない地域

星は光なので、星の光を邪魔する光は徹底的に少ない方が良いです。
都市部では、都市が明るすぎて星の光が見えづらくなります。
「光害マップ」というデータがあり地域ごとに調べることが出来ます。
大阪市内は明るすぎて星の撮影には不向きな地域です。

光害マップ

世の中には、すてきなカッコ良い星の写真がたくさんありますが、

この条件を満たした時に、その場所に、カメラを持って、適した設定で撮影できたからこそ撮れる写真であり、
本当にかなりの苦労が裏に隠れていることがわかります。

撮影日の記録

2021年1月13日 大阪市内 晴れ

先日、1月13日は上位の条件のうち、4つの条件に合致した奇跡的な日でした。

前日には大阪市内では珍しい雪が降りその後に雨に変わりました。

撮影時当日は気温がかなり下がり湿気も少なく、雲もほとんど見当たらず晴天の夜となりました。

本当は、奈良県とか兵庫県に行けば「光害」が少ないのでもっと良く見えたと思われますが、コロナでいけず大阪市内の河川敷で撮影を行いました。


撮影機材

ニコン Z7Ⅱ+NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

今までの星撮影は一眼レフ機のD850で撮影していましたが、今回はミラーレス機のZ7Ⅱで撮影しました。
Z7Ⅱでの撮影で良かった所、困った所がありましたのでまとめておきます。
①暗い中でも構図が合わせやすい
②最終のイメージをリアルタイムに確認しながら露出やホワイトバランスの調整ができる
③インターバル撮影とタイムラプス動画が同時生成できる
④ファインダーからの光漏れの心配がない

①暗い中でも構図が合わせやすい

D850は一眼レフ機なので、暗い場所での構図の確認が難しかったです。
ファインダーを覗いても暗いままなので試し撮りをしないと確認できませんでした。
一方、Z7Ⅱはミラーレスカメラなので露出補正を行えば暗い部分もファインダー内で確認できるので構図の決定にとても役立ちました。

②最終のイメージをリアルタイムに確認しながら露出の調整ができる

これは①と似ていますが、ミラーレス機なので、絞り、ISO感度、シャッタースピードを変更するとファインダー内で最終イメージを確認することが出来ます。
リアルタイムに反映されるので、その場の状況に合わせた設定が容易にできました。

③インターバル撮影とタイムラプス動画が同時生成できる

これはニコンのD780から搭載された機能ですが、インターバル撮影した静止画の記録と同時にタイムラプス動画を生成してくれる機能が搭載されました。
これがかなり便利で、いままでは家に帰って自分で動画を作成していましたが、その場でみえれるのでテンションが上がることと、
試し撮りで5分くらい撮影して設定などに問題がないかチェック用として役に立ちました。
(カメラ内でタイムラプス動画を作成すると画面の上下がクロップされて少し切られてしまいます。
ファインダーから見える構図と異なるので、カメラ内で完結して動画を作り終えたい場合は注意が必要です。)

④ファインダーからの光漏れの心配がない

一眼レフ機の場合は、ファインダー部分から光が入ってしまうことがあります。
ミラーレス機の場合はファインダーからの光は影響しないのでファインダーを塞ぐ必要がないので手間と閉め忘れを防ぐことが出来ます。

①カメラの操作ボタンが光らない
②軽いから揺れそう

①カメラの操作ボタンが光らない

これは現地で困ったことの第一位なのですが、D850ではカメラの操作ボタンにバックライトが付いており暗闇でも確認することが出来ました。
Z7Ⅱはこの機能がないのでインターバル撮影を始める始めの方だけですが地味に不便でした。
三脚の確認などで、結局、懐中電灯は使うので大差はありませんが、あったほうが助かったなと思っています。

②軽いから揺れそう

一眼レフ機のD850と比べるとレンズとセットで約500gくらい軽くなっています。
撮影したこの日は風の少ない日でしたが、強風の日は三脚が揺れてしまうかなと思います。

カメラの設定と注意点

露出

絞り値:f/2.8
シャッタースピード:1秒
ISO:1600

ホワイトバランス

ホワイトバランスは自分の好きな設定(色合い)で「固定」します。
空の暗さは夜中でも微妙に変化していますので、オート設定だと色味が変化してしまいます。
インターバル撮影やタイムラプス動画を作る際に影響するので注意です。
(今回の撮影時は、間違ってオートで撮影してしまいましたが空の変化が少なく助かりました。)

その他の設定

「高感度ノイズ低減」と「長秒時ノイズ低減」はオフにした方が良いです。

撮影後のカメラ内のデータ処理に時間がかかる時があり、インターバル撮影をする際に、次の撮影に間に合わず、記録間隔がずれてしまう可能性があります。

手ブレ補正とオートフォーカス

「手ブレ補正」と「オートフォーカス」はオフにした方が良いです。
インターバル撮影の1枚1枚ごとに手ブレ補正やオートフォーカスが働くと1枚1枚のズレが発生してしまいます。

ニコンのインターバル設定の注意点

ニコンのインターバル撮影設定は少しクセがあります。

「撮影間隔」で秒数を指定する際、
「シャッタースピード+3秒くらい」で設定する必要があります。
今回の撮影では、シャッタースピードを「1秒」に設定しました。ですので、インターバル撮影間隔が3秒を足した「4秒」を撮影間隔としました。
撮影後のカメラ内処理に時間を要するようで、次の撮影までの間隔が短すぎると次の撮影を開始できない現状が起こります。

点で撮るか線で撮るか(比較明合成)

都市部で見える星の光はかなり微力です。どれだけISO感度を上げて、シャッタースピードを遅くしても見えないものは見えません。

そのため、都市部では「比較明合成」という方法で、星を「点」ではなく「線」で表現するほうが良いです。

点だと見えない

この写真だと星の点が小さく、明るさが足りないので全然見えないです。

星景写真

線だと見えてくる

これはインターバル撮影した500枚の写真を、明るい部分だけを重ねて合成しています。
詳しくは「比較明合成」で調べてもらえるとフリーソフトも色々あります。
もっと長い時間をかけて撮影枚数を増やしていけば星の軌跡がどんどん長くなっていきます。
40分くらいの撮影でしたが、星が移動していることが体感できて、毎回感動します。

星景写真


都市星景写真に惹かれる

私は大阪市内に住んでいるので、星撮影に適した日取りで撮影に適した場所にいることがかなり難しいです。

今回の撮影のような都市の中での星の写真を「都市星景写真」という呼ぶようなのですが、都市の星空をもっと上手く撮れるようになりたいと思っています。

都市部でも綺麗な星が見えるんだということを伝えれる写真が撮りたいです。

少しずつ実験はしているのですが、なかなか上手くいきません。でもこの試行撮影しているのも楽しいです。

街ゆく人は、何も見えない空にカメラを向けている私をみて「何を撮っているだろう」と思っているはすです。

怪しい人に見られますが、他人のことを気にせず頑張っていきます。

下の写真は、今年の夏に、大阪駅の近くのうめきた広場で撮影した写真ですが、よく見ると星が写っています。

星景写真

星景写真

最後に

今年は、もっと表現の幅を増やすことに注力し、意欲的に頑張って行こうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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