ニコンZ9動画関連-備忘録①【保存形式・N-RAW・DaVinci Resolve での注意点】

ニコンZ9の動画関連の備忘録をみなさんと共有します。マニュアルに書いていないことが結構あるので、自分の備忘録として書きます。

Z9の動画保存形式

Z9の保存形式は6種類

①N-RAW 12-bit      (NEV)【SDR・N-Log】

②ProRes RAW HQ 12-bit(MOV)【SDR・N-Log】

③ProRes 422 HQ 10-bit(MOV)【SDR・N-Log】

④H.265 10-bit     (MOV)【SDR・HLG・N-Log】

⑤H.265 8-bit      (MOV)【SDR】

⑥H.264 8-bit      (MOV)【SDR】

※末尾の【SDR・HLG・N-Log】は選択できる階調モード(ニコン公式マニュアルより参照

項目

内容

SDR

標準の明るさの幅(ダイナミックレンジ)に対応した階調モード

HLG

HDRに対応した階調モード。SDRに比べてダイナミックレンジが広い

N-Log

ニコン独自のLog曲線を使用した階調モードです。広いダイナミックレンジでの撮影に適しています。

N-Log]だとカラーグレーディングの編集時の自由度が一番高い

でも編集にある程度の知識と技術、経験が必要。

慣れるまでは[SDR]で撮影した方がよい。撮って出しでも十分綺麗な状態で編集スタートできる。

RAWは2種類のみ

動画でも、静止画のような後からの調整が可能なRAWは2種類だけです。

①N-RAW 12-bit      (NEV)【SDR・N-Log】

②ProRes RAW HQ 12-bit(MOV)【SDR・N-Log】

データ量が多い分、編集の耐性がかなり高いです。

ですが、生のデータなのでレンズ補正や高感度ノイズ低減、ピクチャーコントロールなどは適用されない状態で記録されます。

Z9のRAWの注意点

N-RAWが編集できるソフトと保存形式の注意点!

①N-RAW 12-bit (NEV)【SDR・N-Log】のデータを編集できるソフトは

現時点(2022年6月)で

・DaVinci Resolve 

EDIUS X Pro

の2種類のみで、メジャーな動画編集ソフトFinal Cut ProやPremiere Proでは編集できない。

DaVinci Resolve での注意点!

②ProRes RAW HQ 12-bit(MOV)【SDR・N-Log】

はDaVinci Resolve では編集できない!

DaVinci Resolveでは、データの取り込みができない(正確には音声データしか取り込めない)

強制的に、変換ソフトでProRes RAW 4:4:4 12-bit のように変換し取り込みすることができるようであるが、

容量が2倍になり編集手間が増加するためDaVinci Resolveを使用する場合は、

始めから②ProRes RAW HQ 12-bit(MOV)【SDR・N-Log】以外の保存形式を選択する。

最高画質と編集時の耐性を考慮するとDaVinci Resolve環境で作業する場合は、

①N-RAW 12-bit      (NEV)【SDR・N-Log】

③ProRes 422 HQ 10-bit(MOV)【SDR・N-Log】

のどちらかになります。

どの保存形式が良いのか。

6種類もあるので、結局どれを選べば良いか悩むとおもいますが、

目的によって選ぶことになります。

最高画質で編集したい場合

カラーグレーディングすること前提で最高画質で記録したい場合は、

この2種類のRAWを選択することになります。

①N-RAW 12-bit      (NEV)【SDR・N-Log】

②ProRes RAW HQ 12-bit(MOV)【SDR・N-Log】

12bitによって色の情報が最大限まで記録できます。

データ量が多くなるので編集環境の強化も必要になってしまいます。

8K撮影が必要な時

ニコンZ9では、ボディ内で8K動画ができます。

保存形式は以下の3種類のみ8Kを選択できます。

①N-RAW 12-bit(NEV)【SDR・N-Log】

④H.265 10-bit(MOV)【SDR・HLG・N-Log】

⑤H.265 8-bit(MOV)【SDR】

画質を最高な状態で記録しないのであれば

①N-RAW 12-bit(NEV)【SDR・N-Log】 一択になります。

特にあとでカラーグレーディングを行うなど調整するのでれば、

N-RAWでないと破綻する可能性があります。

手軽に綺麗な映像が得たい!

カラーグレーディングとは難しいRAW現像をするのは時間も技術も必要になります。

手軽に綺麗な映像を撮りたい場合は、

③ProRes 422 HQ 10-bit(MOV)【SDR・N-Log】を選べば良いです。

【3840×2160】の60pもしくは50pで撮影すると、8Kオーバーサンプリングによって画質が向上します。

(※24pでは何故かオーバーサンプリングが適用されないので注意)

これは撮って出しの時点で綺麗なことがわかります。

パソコンのモニターで見ても静止画と思えるくらい綺麗な画質を発揮できます。

現状、8Kまでの大きさが必要な場面は少なく4Kで十分ということが多いと思います。

ピクチャーコントロールや、レンズ補正がかかった状態で記録することができるので、

後からの編集も簡単になります。

 

動画編集はいろんな条件が関わるので、引き続き勉強を進めていきます。
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